プログラムの特色・目的
藝術学舎では、「京都芸術大学 履修証明プログラム」を導入しています。履修証明プログラムとは、学校教育法第105条及び学校教育法施行規則第164条の規定に基づき、大学が主として社会人を対象に一定のまとまりのある学習プログラムを開設し、その修了者に履修証明書を交付するものです。
本学の履修証明プログラムでは、「美術・工芸」、「映像・写真」、「デザイン・コミュニケーション」、「文化伝統・歴史」など多岐の分野の内容を展開しています。プログラムの履修を通じて、専門的な技術、知識、芸術活動の方法論などを他者へ伝え、さまざまな芸術活動を支える力を身につけることを目指します。各プログラムは、特定のテーマに基づいて体系化された4講座から成り、それらに「共通講座」とよばれる必修講座を組み合わせて履修します。
プログラムの修了は、履歴書やジョブ・カードに記入することができ、学習成果を職業キャリア形成に活かすことができます。また、プログラム修了者には、履修証明書とともに、本学認定の資格(「リベラルアーティスト」ないし「芸術教育士2級」)も授与しています。
取得できる資格とプログラム一覧
「リベラルアーティスト」
自分の職能や人生と交差する教養としてのアートを学び、創造性と美的な判断力を身につけた社会人を育成します。
「芸術教育士2級」
文化資産の保存活用や各地の芸術活動を通じて、ひと、モノ、地域の成長を助ける人材を養成します。
取得できる資格 | プログラム名(年に4 回開講) | 共通講座A 必修 | 共通講座B 必修 | 申込方法 | |
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①4講座セット(春季のみ) | ②単独申込(当該季) | ||||
リベラルアーティスト(写真(銀塩)) | 写真(銀塩) | ● | ● | ● | |
リベラルアーティスト(水墨Ⅰ~Ⅳ) | 水墨Ⅰ~Ⅳ | ● | ● | ● | |
リベラルアーティスト(朗読Ⅱ) | 朗読Ⅱ | ● | ● | ||
リベラルアーティスト(日本の絵画表現) | 日本の絵画表現 | ● | ● | ||
リベラルアーティスト(絵画) | 絵画 | ● | ● | ||
リベラルアーティスト(知覚探究Ⅰ) | 知覚探究Ⅰ | ● | ● | ||
芸術教育士2級(古都学) | 古都学 | ● | ● | ● | |
芸術教育士2級(ネオ民藝I ~Ⅱ) | ネオ民藝I ~Ⅱ | ● | ● | ● | |
芸術教育士2級 (伝統文化スチュワードシップ) |
伝統文化スチュワードシップ | ● | ● | ● | |
芸術教育士2級(日本のおもてなし) | 日本のおもてなし | ● | ● | ● | |
芸術教育士2級(史料学) | 史料学 | ● | ● | ● |
資格取得要件
所定期間(履修開始から2年間)の間に、各プログラム4講座+共通講座(指定の)1ないしは2講座をすべて受講・合格することにより、履修証明書と本学認定の資格を取得できます。

履修期間
履修開始から2年間(8回の開講季)。初回に受講した開講季(春〜冬)からカウントして2年間(8回の開講季)のうちに指定講座をすべて受講すること。
履修証明プログラム【講座内容】
共通講座A
芸術と知的財産権~著作権を中心に
クリエイティブな活動をされるとき、他人の権利を侵害しないか不安になることはありませんか?本講では創作行為や他人の著作物を利用する際の著作権といった知的財産権や契約実務を学んでいただき、萎縮しない、より自由な皆様の活動の一助となればと考えております。
共通講座B
日本文化と国際交流
この講座では、日本文化を海外に紹介する方法を学びます。文化交流の歴史と現在、日系人・外国人による日本文化実践の紹介、日本文化についての英語文献の講読などを行い、最後に、受講生による英語の簡単なプレゼンテーションを予定しています。受講にあたり、どんな日本文化を紹介したいか、予め考えておいてください。
リベラルアーティスト
「リベラルアーティスト」の資格は、教養としてのアートを学び、創造性と美的な判断力を有することを認定するものです。プログラム修了後は、高度に専門化された技術をもとに作品を制作し、芸術活動の成果を社会へ還元することが期待されます。この資格を取得するためには、9種のプログラム(「写真(銀塩)」「水墨Ⅰ」「水墨Ⅱ」「水墨Ⅲ」「水墨Ⅳ」「朗読Ⅱ」「日本の絵画表現」「絵画」「知覚探究Ⅰ」)から1種を履修するとともに、「共通講座A」の受講が必要です。
写真( 銀塩)
今や古い技術にも見える銀塩写真。しかしこの技術を学ぶことでデジタル写真とはまた違った表現の可能性が手に入ります。
水墨Ⅰ
東アジアで古来重要な教養として親しまれてきた水墨画の入門です。
水墨Ⅱ
水墨画の筆墨表現と様々な空間の構成法を学びます。
水墨Ⅲ
写生と自選研究を通じて水墨画表現の多様性を学びます。
水墨Ⅳ
東洋の古典的な形式と空間を意識しながら各自が制作に取り組みます。
朗読Ⅱ
伝わる朗読術を学び、人に伝える力を養います。語感を大切にするとはどういうことなのか、クラスワークを通じて学びます。
日本の絵画表現
古から日本の風土によって培われてきた絵画表現を、講座独自のトレーニングや本画制作を通して学び、現代の表現へ活かします。
絵画
「私は何を見て、感じて、考えているのか?」を探究し、その証を絵画として表現します。描くことによって自らを解放し成長させる為のプログラムです。
知覚探究Ⅰ
知覚を磨き、自らを変化させるプログラムです。深く観察する眼を養い、感性や思考を向上させ、日常、新たな発見の喜びが得られるようになる事を目指します。
芸術教育士2級
「芸術教育士2級」の資格は、文化資産の保存活用や各地の芸術活動を通じて、ひと、モノ、地域の成長を助ける能力を有することを認定するものです。プログラム修了後は、子どもから大人までが集うさまざまなコミュニティにおいて、文化芸術活動の核を担っていくことが期待されます。この資格を取得するためには、6種のプログラム(「古都学」「ネオ民藝Ⅰ」「ネオ民藝Ⅱ」「伝統文化スチュワードシップ」「日本のおもてなし」「史料学」)から1種を履修するとともに、「共通講座A」と「共通講座B」の受講が必要です。
※「芸術教育士1級」は、京都芸術大学大学院(通信制)の対象分野を修了することが取得の条件です。藝術学舎での開講はありません。
古都学
古都で生まれ、古都で展開した文化をさまざまな角度から学び、その歴史を紐解きます。
ネオ民藝I
地域のこれからのものづくり、プロダクトのありかたを現地でつぶさに学びます。
ネオ民藝Ⅱ
フィールドワークを通じて、すでに価値付けられたものではなく、自らの眼を頼りに物品を蒐集する力を身につけます。
伝統文化スチュワードシップ
伝統文化の保存活用について、講義+ワークショップの形式で実践的に学びます。
日本のおもてなし
日本の食文化を彩る四季折々の習わしを学びます。外苑キャンパスでの料理や星岡での茶事も体験します。
史料学
日本の芸術文化の歴史を知るため、史料の形態や種類・扱い方・目録の取り方・読み方・保存の仕方・調査の実例などを具体的に学びます。