到達目標と講座概要
他者とコミュニケーションを通じて美術作品を読み解く鑑賞プログラムの現在地を知る
近年、日本国内では、地域芸術祭やアートイベントやSNSで、今まで以上にアートを身近に楽しむ機会が増え、日常とアートの距離がぐっと近づいているように感じられます。その一方で、アート作品と対峙したときに「なぜこれがアートなのだろう?」「アート作品を鑑賞するには、特別な知識や経験が必要なのかな...」と感じた経験はありませんか?
「アート思考」の注目に伴い、「対話型鑑賞」に期待が高まっています。ニューヨーク近代美術館(MoMA)で開発された鑑賞プログラム「VTC(Visual Thinking Curriculum)」を源流に、日本で独自発展・普及した対話型鑑賞ですが、今では、美術・教育界だけでなく、科学・医療・ビジネス界など様々な領域でも用いられるようになっています。そこで本講座では、本学アート・コミュニケーション研究センターで取り組んでいる、対話型鑑賞ACOP(Art Communication Project)の紹介・体験と、さまざまな領域で現役で活躍されているゲストによる特別講義を通して、日本社会における対話型鑑賞の現在地について知ることを目標にしています。