到達目標と講座概要
「時代と共に変化する伝統芸能の姿と歴史」を知る
箏(こと)という楽器をご存知ですか?箏は奈良時代に中国大陸から伝来して以来、日本で愛され演奏されてきた楽器です。明治12(1879)年、日本政府は西洋文化を取り入れた新しい音楽文化の形成を目指し、音楽取調掛(旧東京音楽学校、現東京芸術大学)を設置して音楽の研究と音楽教員の養成を始めました。箏曲もまた、西洋音楽の影響を受け、大きな転機を迎えます。西洋音楽を取り入れた新曲が作られたり、西洋音楽の理論に基づく新しい教授法が試みられたりしました。また、箏曲は雅楽に相対する「俗曲」とみなされ、歌詞を中心に「俗曲改良」もなされました。この講座では、こうした明治期における邦楽界と箏曲の歴史を学ぶとともに(講義)、重要文化財の旧東京音楽学校奏楽堂を見学して歴史に対する理解を深めます(現地研修)。さらに、西洋音楽の影響を受けて生まれた箏曲作品をじっさいに演奏してみましょう(ワークショップ)。箏の初心者の方も初歩から学べます。安心して受講してください。