到達目標と講座概要
京都の魅力とはなんでしょう。
多くの人が惹かれる空間には見えない意匠が仕組まれています。歴史的建造物や文化的環境の魅力をデザイン手法の学びとともに再考しましょう。
人類史上、京都ほど都として永続した都市はありません。「KYOTO」が世界屈指のブランドである所以の根底には、この国と都を愛した人たちの計り知れない匠(巧み)の継承が潜み、その重層感を肌身で感じ取れるからなのかもしれません。また、グローバライズした近代以降の世界観においても、京都の「デザイン性」は特異な輝きを放ち続け、多くの示唆を含んでいます。
この授業では、日本の空間を対象にしたデザイン研究が少ないことから京都でのフィールド調査と文献研究に着手しながら実践的なデザイン活動を並行的に行なってきた立場から、5回の講義ですので一部のデザイン手法には限られますが、京都を素材にデザイン的なものの見方を講義したいと考えています。
特に、地理的にも歴史的にも技術的にも恵まれた京都の位置づけと、建築、都市、伝統芸能、祭礼儀式、美術工芸など、京都での空間意匠的な特徴に焦点を絞りつつ解説したいと考えています。また、各授業でのデザイン概念の説明においては、世界文化遺産に登録されている社寺などを事例に説明します。