到達目標と講座概要
史料を読む力を身につける
戦国時代の足利将軍と大名の関係を、栄典授与を通じて考えていきます。
戦国時代、列島各地におけるいわゆる戦国大名の勃興に対して、その存在感が埋没してしまう足利将軍ですが、将軍職は足利義昭が天正16年(1588)に辞するまで、足利氏が保ち続けます。応仁・文明の乱以降、守護在京制の崩壊よって幕府中枢から守護・大名が退き、足利将軍の権力は相対的に低下しました。しかし、なお、足利氏は将軍として武家社会における秩序の頂点に在り続けました。その理由のひとつとして、儀礼的権威を保持し続けたことがあげられます。この儀礼的権威の保持という点から、将軍と諸国大名の関係を、史料を読み解くことで探っていきます。そして、足利将軍の儀礼的権威の喪失という点を、政治史上に当てはめることで室町幕府の滅亡を考えていきます。
※本講座は京都芸術大学履修証明プログラム「史料学4」に該当します