到達目標と講座概要
「時代と共に進化する日本画の新たな技法」を身につける
奈良時代から現代に至るまで、時代と共に日本独自に進化を続ける和紙製造の技術。昨今、和紙の種類はさらに豊かさを増しています。植物からつくられる和紙は、日本画にとって絹とならび、描くための支持体として必要不可欠であることは言うまでもありませんが、使用方法の工夫や選択によって限りなく表現の幅を広げてくれる新たな画材にもなり得ます。絵は自分のイメージだけではなく、描画材や支持体とのアンサンブルで表現されます。様々な性質の和紙と、その使用方法によって誕生する絵画表現にチャレンジしてください。本講座では「土佐楮夢幻染め」を本紙とし、伝統的な手漉きでは製造できなかった極めて薄く繊細な和紙「機械漉き典具帖紙(てんぐじょうし)」を重ね合わせ、「奥行き」や「瞬間の動きの軌跡」などの表現を試みます。また落水紙もサンプルとして紹介します。日本画材による描写と和紙の材質感との、日本画ならではの自然素材の共演を体感してください。