到達目標と講座概要
目的
京都に残る近代庭園・建築について、講義と実地訪問によって、その魅力や特徴を探ります。
講座の概要
近代の日本においては、新たに始まった西洋社会との交流を契機としてさまざまな変革が行われました。本講座では京都の近代庭園・建築に注目し、近代を生きた人びとがどのような生活の場を生み出したのか、そこにはどのような特徴が見られるのか、そして現代の私たちはどこにどのような魅力を感じるのか、について探っていきたいと思います。
京都の近代建築についてみると、西洋建築の影響を受けて洋風の建築が導入されますが、一方で「近代和風建築」と呼ばれる伝統的な技術や意匠を継承・発展させた建築が見られ、それは住宅のみならず公共建築や社寺などの宗教施設にも及んでいます。
本講座ではこの近代和風建築とその庭園に注目し、その特徴をまず講義によって概観します。そして、京町家である杉本家住宅の建築と庭園、南禅寺界隈に展開された琵琶湖疏水を利用した別荘である對龍山荘の建築と庭園、伏見稲荷大社の社務所別館である松の下屋の建築と庭園など、さまざまな近代和風建築・庭園を実地に訪問します。
実際に暮らす所有者の方のお話をも伺いながら、それぞれの魅力について語り合い、京都の近代に思いを馳せていくことといたしましょう。