到達目標と講座概要
本講座は、日本庭園の美と空間構成に焦点を当て、とくに禅宗寺院において発展した方丈庭園の魅力を学ぶ講座です。Zoomによる事前講義(9月20日)と、京都市内の庭園を訪れる現地見学(9月27日)を組み合わせ、実際の空間に触れながら理解を深めていきます。
講義では、鎌倉時代から室町時代にかけての禅宗寺院に見られる枯山水庭園および池泉式庭園を取り上げ、庭園の造形理念、宗教的背景、建築空間との関係について解説します。現地見学では、大徳寺塔頭の枯山水庭園、石庭で知られる龍安寺、池泉回遊式庭園を擁する等持院などを訪問し、庭園空間と方丈建築の相互関係を体感的に理解します。見学の途中では、庭園を眺めながらお抹茶をいただく時間も設け、日本文化における「見ること」「体験すること」の両面から庭園を味わいます。
日本庭園に初めて触れる方や、お抹茶をいただくのが初めての方も大歓迎です。日本庭園の初学者を含むすべての受講生が、庭園の構成要素や象徴性を読み解く視点を習得し、日本文化における庭園の位置づけとその鑑賞方法についての基礎的理解を深めることを目指します。