到達目標と講座概要
藝術学舎の「ローカルフォト講座」は、開講から10年を迎えました。
「写真でまちを元気に」というフレーズから始まったこの講座が開講した頃は、地域やまちづくりと写真を結びつけて考えることは、まだそれほど一般的ではありませんでした。
現地研修の舞台である真鶴町も、この10年で随分と変わりました。
当時は、人口減少や過疎化が進むまちを歩き、地域の人たちとふれあいながら、その日常や風景を写真に記録し、少しでも多くの人に真鶴というまちを知ってもらうことを大きなテーマとしていました。
それから10年。
真鶴には若い移住者が増え、新しいお店も生まれ、世代交代も進んでいます。
もちろん、過疎という問題がなくなったわけではありません。
それでも、まちのなかに新しい人や価値観が入り、暮らしの風景は変わりました。
また、ゲスト講師の川口さんは、現在は地方のプレイヤーとして、また新しいカルチャーの担い手として、広く知られるようになりました。
社会のありようも変わりました。
かつては「地方創生」という言葉のもとで、地方の課題をどう解決するか、地域の魅力をどう発信するかが大きなテーマでした。
いまでは、地方や地域を舞台に活動したり、そこで新しい暮らしや働き方をつくったりすることも、以前ほど特別なことではなくなっています。
だからこそ、10年目を迎えた今回の講座では、地域を「発信する」だけではなく、もう一度、そこに暮らす人々のまなざしから真鶴を見つめ直したいと思います。
これまで続けてきた地域住民の日常や風景の取材・撮影に加えて、新たに移住してきた人たちや、彼らが営む新しい暮らしにも目を向けます。
昔から受け継がれてきた地域文化と、新しく入ってきた価値観。その二つが交わる場所を、写真と対話を通して丁寧に見つめていきます。
10年という節目を迎えた本講座では、受講生一人ひとりが真鶴を「自分ごと」として捉え、人と出会い、地域を歩き、写真を撮る。
そのプロセスを通して、地域のことだけでなく、自分自身の生き方や、これからの暮らしについても考えてほしいと思っています。
写真は、まちや人と出会う、ドアのようなものです。
そして、人や暮らしと出会うためのメディアでもあります。
地域の日常を見つめることから、自分自身のこれからを考える。
そんなリサーチ型のローカルフォト講座です。ぜひご参加ください。
※他に対面+現地研修の形式もあり(https://air-u.kyoto-art.ac.jp/gakusha/learning/G2631208)